スタッフBLOG

有理数から実数2016年02月16日

チューターの田村です。

 

前回、自然数から整数を作りました。

ほとんど同じようにして整数から有理数を作れます。

今度は有理数から実数を作ってみます。

 

まずは有理数全体の集合を次の規則を満たすような2つの集合A,Bに分けます。

a∈A,b∈B⇒a<b

例えば、A={a∈Q|a<2},B={b∈Q|b≧2}などです。

このような組の分け方は

1.Aに最大元があり、Bに最小元がある

2.Aに最大元があり、Bに最小元がない

3.Aに最大元がなく、Bに最小元がある

4.Aに最大元がなく、Bに最小元がない

の4パターン考えられますが、実は1.は存在しないことが簡単に証明できます。

 

1.を満たすA,Bが存在したと仮定します。

Aの最大元をa、Bの最小元をbとすると、集合の分け方の規則よりa<b。

しかし、有理数a,bの間には別の有理数が存在するので(たとえば(a+b)/2)、A,Bどちらにも属さない有理数が存在します。

これは矛盾です。

 

これら集合の組(A,B)全体を考えます。

そして、2.のときのAの最大元、3.のときのBの最小元が等しいとき、それらを同一視し、さらにその有理数に対応させます。

最初に出した例では(A,B)は2に対応します。

このとき、集合の組(A,B)全体が実数で、残った4.のときが無理数に対応します。

 

この実数の構成はイメージしづらいですが、例えばA={a∈Q|a^2<2またはa<0},B={b∈Q|b^2>2かつb>0}とすると、4.の例になっています。

A={a∈Q|a<√2},B={b∈Q|b>√2}なので、無理数の√2に対応していることが分かります。

この方法をデデキント切断といって、実数の性質を証明するのに役に立ちます。