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自然数と整数2016年02月09日

チューターの田村です。

 

また数学の話です。

自然数から整数を作ってみたいと思います。

自然数は高校までは1以上ですが、ここでは0以上として、自然数全体をNで表します。

自然数には和+が定まっています。

 

まずは自然数の組を考えます。例えば(1,2)や(3,5)などです。

自然数の組全体をN×Nと表します。ここで×を使っているのは数学的な理由で、普通の×とは異なるただの記号です。

N×NにもNと同様に和が定まります。

(a,b)+(c,d)=(a+c,b+d)

です。

また(0,0)はNの0と同じ働きをします。

 

さて、N×Nの元の中で、次の同値関係を考えます。

(a,b)=(c,d)⇔a+d=b+c

つまりN×Nの元(a,b)と(c,d)が等しいとはa+d=b+cを満たすことと定義します。

 

突然、同値関係という言葉を出しましたが、簡単に言うと分数の約分のようなものです。

分数では、例えば1/2と2/4が等しいです。これは一般に

a/b=c/d⇔ad=bc

という同値関係を考えていることになります。

 

N×Nに同値関係を定義したことで、差-を考えることができます。つまり

(a,b)-(c,d)=(a,b)+(d,c)

 です。

例えば、

(1,0)-(2,0)=(1,0)+(0,2)=(1,2)=(0,1)

です。1つ目の=は-の定義通りで、つ目の=は同値関係によるものです。

(a,b)-(a,b)=(0,0)

になることにも注意します。

 

これで、整数を作ることができます。

N×Nの各元は同値関係によって、次のいづれかになります。

…, (0,2), (0,1), (0,0), (1,0), (2,0). …

(0,a)を-a、(a,0)をaと書くと、これは整数全体の集合になり、和や差の計算も整数の通常の和と一致することが分かります。

これで自然数から整数を作ることができました。

整数から有理数全体も似たようにして作ることが出来ます。