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(-1)×(-1)③2015年07月07日

チューターの田村です

いよいよ(-1)×(-1)=1の証明が終わります

もっとさらっと終わると思っていたのに、意外と長くなってしまいました

 

前回

(9)任意のRの元a,bに対しa×(-b)=(-a)×b=-(a×b)

(10)任意のRの元aに対しa=-(-a)

を示しました

 

さて証明の前に一つ

環の定義では積に関して半群であれば良かったのですが、整数の場合積に関してモノイドになっています

つまり

(11)Rの元eが存在して、任意のRの元aに対してa×e=e×a=a

となります

(このeに対応するのが1であることはわかりますよね)

このような環を単位的環と呼びます

 

では証明です

(-1)×(-1)を計算します

(9)よりa=-1,b=1とすれば

=(-(-1))×1

(10)より-(-1)=1だから

=1×1

1の性質(11)より

=1

証明終わり

 

この証明では、整数の性質は最後しか使っていません

他はすべて環の定義から導かれるものです

つまり、今は環として整数しか知らないかもしれませんが、他に環が見つかった時、わざわざ証明しなくても環の性質として

(-a)×(-b)=a×b

が使えるのです

 

少し話が変わりますが、答案の採点をしているとたまに変な式変形をしていることがあります

(例えばベクトルの内積をベクトルで割っている、など)

変な式変形をしないように、ここまで厳密でなくて構いませんが、常にどういう性質を使っているのか意識するようにしましょう